Rock'n Rollとは何か

 


結論から言いましょう。

今の私の答えは、「好きな自分でいること」。

 

「ロックンロールは好きですか!」

私の大好きなロックスターは、ステージの上からよく、そう問いかけてきた。

確かに所謂ロックと言われるジャンルの音は好きな傾向にあるし、この人たちが奏でる音がロックならそれは大好きなので、いえーい!と言いながら手を挙げてたけど、その音楽的・歴史的定義はわからんもんで、何のことを指しとるんやろうかと思ってた。

 

「ロックの何が好きですか?」

そのロックスターがバンドを解散する最後のライブ前、渋谷で髪を切ってもらいながら、美容師のお兄さんにそう聞かれた。

その時私は、「何がって言うか、ライブがかっこよくて、それが全てで」ってしどろもどろ答えた覚えがある。

そのお兄さんの好きなジャンルは、「世の中がクソやなって歌ってる、それが芯をついてる」んだそうでして。

あとでもう1回考えたら、「ロックっていう広いもんはわからんけど、私の好きなロックバンドは、世の中がクソやなって思った時にも頑張れる力をくれるところが最高なんすよ」って言えばよかったな、って思った。ちょっとマウント取っとる。

 

「ロックが好きなの!?意外!」

だいたいこう言われます。なんか、もっとポップとかクラシックとかを聴いてそうらしい。そのジャンルは否定せんけど、そのイメージは、謎。

 


というか、ロックが好きだからこの人たちを聴いてるんじゃなくて、好きな人がたまたまロックバンドを名乗ってた、くらいの感覚で。

 


ロックロックって言うけど、何をもって?ってずっと思ってた。

アメリカで生まれたなんちゃらが派生して。わからん。

4つ打ちがなんとかで。知らん。

セックス&ドラッグ。古ない?

 


そういうことより、生き様、みたいな話な気がする。で、わからんな、わからんもんかな、と思いながら、無意識に集めてた、3人(人?)の言葉。

 


「かつてロックが発明された時代 混沌とした世界が敵で

勝負の見えてきた現代は 立ちはだかる壁も探せない」

(プッシュプレイ/ポルノグラフィティ

 

私がいちばん長く支えてもらってるロックバンドの歌詞。

どうやら何かと戦うものらしいし、それは明確に定まってもないらしい。

 


「俺にとってのロックは背伸び」

ソロになったロックスターは言った。この時はまじでそれしか言わなかったのでほんとのとこは分からんけど、大事な言葉だと思ったので胸にしまっておいた。

 


「自分を好きでいること」

これはギターヒーローのツイート。こんな世の中を生き抜くために、って。これはすなわち『生き様』の話、と勝手に解釈したのはわたし。

 


この3つを、ほかのいろんな大事な言葉と一緒にしばらく持ち歩いて、ある日ぴぴぴと繋がった。

 


「ロックンロールとは、好きな自分になることなのではないか。」

 


戦うべき相手は自分で、

背伸びして自分を成長させて、

好きな自分に近づくんじゃないか。

 


少なくとも私の大事なロックンローラーたちは、そう言ってるんじゃないか。

 

 

 

で、不思議なことに。

「自分を好きになる」っていう目標を、わたしは数年前にすでにもらっていたんですよね。ロックスターとギターヒーローが組んでたバンドから。

彼らのおかげで頑張れて、そんな自分はちょっと好きになっていいと思えたから、彼らがいなくなっても、自分のことは自分ですきになりたいって。

 


ロックスターがソロになった頃、「いたいとこもださいとこも悲しいことも、全部愛してやろうとしているような。私も私の全部を愛してみたいな」って思った、って日記が残ってる。

 


「301号の部屋 近所迷惑を気にしながら 静かに奏でるそれを ロックンロールと呼んだ」

(Forever young/村上達郎)

うん。

 


もっと遡れば、小学生で出会ってからずっと座右の銘にしていた言葉は、

「みんな違ってみんないい」

(小鳥と鈴とそれから私/金子みすゞ

まあ、当時はもっとひねくれたもんだったけど。

 


ライブに行って好きな人に会って帰ってくるのは、私は私で頑張るためで。

 


ロックンロール、してたじゃん。私。ずっと。

 

 

 

で、もう一段階脳内でこねくり回した。

自分のこと全部を好きになる、は、難しい。

それはきっと無理。

とりあえずステップがでかすぎるし、てゆーかそういうの、向いてない。

 


だめな自分も大事にしたいけど、色んなこと考えちゃう中には嫌いな自分もいるけど、現状維持に甘えるのは違うって思いたいけど。

 


何が欲しい。どんな自分になりたい。

どうして今の自分でしんどいと思うのか。

 


小さく、小さくでいいから、やることを選べ。

ともすればそうなっちゃうような、気を抜いた自分の選択じゃなくて。


どっちの自分が好きかを、選択の基準のひとつにして。

 

少しだけ背伸びして。

それはある意味で嘘だとしてもいい。

いつか本当になればいい。ならなくたっていい。

 


「好きな自分で居ること」

 


これだ。

 


私のロックンロールは、「好きな自分でいること」。

 

ライブに、うたに、ギターにもらっているパワーの行き先は、これなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ついでに。

 


ロック:好きな自分を目指すこと

ロール:生きること

 


って分解できると思って。

 


「Baby そっと I love you 世界は廻る

Baby そうさ I love you キスをしよう」

「くだらないニュースばかりで つまんねえ嘘ばっかでも

どうか笑っておくれよ Keep on rolling!!」

(Rolling/Outside dandy)

 

「音の鳴るほうへ 転がってきなよ Baby」

(スーパーシンガーソングライター/村上達郎)

 

 

「でも声が聞こえたんだ サヨナラの代わりだった
転がってく理由は それだけで良かった」

(ハロー、グッバイ/村上達郎)

 


だから、

 


「頼りない時こそ耳を澄ませよ ロックンロールが聴こえるか
夕焼け小焼けでまた明日 風が吹いている」

(ロックンロールが聴こえるか/村上達郎)

 

 

 

ロックンロール、できてるか。